プロが本気で調べてきました!山口県278㎡築37年・中古物件レポート
01 はじめに – このレポートを読んでくださるあなたへ
「リノベ済みで綺麗に見えるけど…実際どうなの?買っても大丈夫?」「見えないところは大丈夫?専門知識がないから分からない」 中古住宅を検討すると、このように思われる方が多くいます。
今回、山口県にお住まいの30代のご夫婦からご相談をいただきました。お子さんが3人いらっしゃるご家族で、「子どもたちが安心して暮らせる家かどうか、プロの目で見てほしい」というご依頼です。 物件は築37年。内装も外装もリノベーション済みで、パッと見はとてもきれい。
でも――「きれい」と「安心」はイコールではありません。
私は実際に床下に潜り、屋根裏に上がり、水平器を当て、基礎を叩き、不動産担当者に突っ込んだ質問をしてきました。このレポートでは、そのすべてを写真付きで包み隠さずお伝えします。 「プロって、こんなところまで見るんだ」 「こういう視点があるのか」――そんなふうに感じていただけたら嬉しいです。
02 当日の流れ – 内覧の裏側をお見せします
内覧当日、私は最初、お客様とは別行動します。まず外から建物をぐるっと一周して、基礎や外壁、屋根を目視チェック。その後、お客様と合流して室内の調査に入ります。 ちなみに今回、お客様にはちょっとした「お願い」をしていました。
「内覧中、不動産の担当者さんとなるべく会話していてください」と。 ・・・・・・なぜかって? 私が床下に潜ったり、水平器で測定したり、屋根裏を覗き込んだりしている姿を担当者に見られると、その後の価格交渉で「この人たち、かなり詳しいな」と警戒されてしまうからです。これも、交渉を有利に進めるためのちょっとした戦略なんです。
さて、ここからが本題。順番に調査結果をお見せしていきますね

チェックリスト一覧。
専門知識がないと分からないかもしれませんが、このようなポイントを見ていきます。
03 まずは床下へ – 家の「健康診断」
人間でいえば「血液検査」みたいなもの。見た目じゃ分からないけど、ここを見れば家の健康状態がだいたい分かります。 懐中電灯を持って、点検口から床下に潜り込みました。まず気になるのは「湿気」。ジメジメしている床下は、木材の腐食やシロアリを招きます。

実際に潜って撮影した床下。地盤はカラッと乾いている。断熱材は無い。
結果は以下の通り。かなりいい感じでした。

【補足】実はこの物件、過去にシロアリの被害があったことが分かりました。ただし、3年前に専門業者が薬剤処理済みで、保証期間がまだ約2年残っています。現時点では新しい被害の兆候はありませんでした。保証が切れる前に再処理を検討するのがおすすめです。
ちなみに、「悪い」 床下ってどんな状態?
比較として、問題のある床下の写真もお見せします。こういう状態だと修繕に大きな費用がかかります。今回の物件は全くこの心配がありませんでした。

悪い例:木材にカビと湿気がびっしり

悪い例:シロアリにやられた木材
04 床は傾いていないか? – 水平器で実測
床の傾きって、意外と気づきにくいんです。とくに住んでいると、ほとんど気がつきません。傾きがあるとドアの開閉が悪くなったり、ビー玉が転がったり(笑)、体調に影響が出ることもあります。国土交通省の指針では、1メートルあたり6mm以内が許容範囲。私は各部屋に水平器を置いて、一つひとつ確認していきました。

水平器の気泡がど真ん中。傾きなし!

屋根裏で発見した太い梁。立派です。
傾きも問題なし!耐震基準もOKです。

思わず「おっ」と声が出た、玄関の飾り棚
ちなみに、この家に入って最初に目を引いたのがこれ。玄関正面の飾り棚に、天然木の一枚板が柱と梁に使われています。
正直、見た瞬間「いい家だな」と思いました。 こういう木材は今ではなかなか手に入りません。新築でこのクラスの材料を使うとかなりの費用がかかります。昭和63年当時の大工さんのこだわりが伝わってくる、この家の「格」を象徴する場所です。

天然木の一枚板が迎えてくれる玄関。これは贅沢。
05 次は屋根裏へ – 雨漏りの「証拠」を探す
床下の次は、反対側の「屋根裏」です。ここでは主に雨漏りの痕跡を探します。過去に一度でも雨漏りがあれば、野地板(屋根の裏側の板)にシミが残っているものです。

屋根裏の様子。シミや変色は見当たらない。
非常にキレイな状態で雨漏れ跡はありませんでした。

ちなみに、雨漏りや湿気があると、跡やカビが残ります。

これは悪い例。雨漏りのシミ
そして、一つ気になったこと。

天井裏の様子。構造材は問題ないが・・・
断熱材が入っていない。これは正直、要対策。
屋根裏にも1階床下にも断熱材がありませんでした。つまり、夏は屋根からの熱がダイレクトに室内に入り、冬は暖房の熱がどんどん逃げていく状態です。1階の床下から冬場は冷気も上がってきます。
【もう一つ】 小屋裏に収納スペースがあるのですが、屋根裏の冷気がそのまま室内に入ってくる構造でした。冬場はここが「冷気の入口」になるので、断熱の蓋をするか、塞ぐ処理をおすすめします。
06 内装はどう? – 「きれい」の裏側まで見る
この物件、内装はリノベーション済みなので正直パッと見はとてもきれいです。クロスも張り替えられていて、フローリングもピカピカ。

リノベ後の室内。新築みたいな仕上がり。

ただ、ここで大事なことを一つ。
「内装がきれい=安心」ではありません。
壁紙を貼り替えれば見た目はいくらでもきれいにできます。でも、その裏の柱がシロアリに食われていたら? 天井のシミを塗り潰して隠していたら?・・・・・・なんてことも、残念ながらゼロではありません。
だからこそ、私は床下に潜り、屋根裏に上がり、水平器で測定するんです。「見えない部分」を自分の目で確認して初めて、「この家は大丈夫」と言えるようになります。
07 外まわりをチェック – 風雨から家を守る「鎧」
外壁、屋根、基礎は、家を雨風から守る「鎧」のようなもの。ここに不具合があると、中の木材が腐っていく原因になります。

外壁と軒天。焼き杉の外壁がいい味を出している。

瓦屋根。ヒビも剥がれもなく艶がある。棟瓦も豪華。
屋根を見るとわかる、格式の高い家。

のし瓦の段数が多いので格式が高い

ちなみに、悪い例がこちら。瓦がハジけていたり、剥がれや棟の劣化あります。

瓦がハジけ、剥がれや棟の劣化あり
08 基礎まわりと、ちょっと珍しい発見
基礎の状態
基礎は建物の「土台の土台」。ここにヒビ割れがあると構造的な問題を疑いましょう。


給湯器まわり ― 一つだけ気になった点

配管がむき出し → 給湯器交換の際にカバーを設置予定
そして、ちょっと珍しいもの発見。「井戸の息抜きパイプ」
敷地をぐるっと回っていたら、地面からちょこんとパイプが出ているのを見つけました。「これ何ですか?」と思う方も多いと思いますが、実はこれ、この敷地にかつてあった井戸の「息抜きパイプ」です。

ひっそりと佇む息抜きパイプ。湿気を逃がす。地盤沈下防止。水神さまの呼吸。などの役割がある
こういう「土地の履歴」を知ることも、中古住宅選びでは大切なポイントです。なお、この物件は以前の浄化槽から公共下水道に接続済み。インフラ面も安心です。
09 で、結局どうなの? – 総合評価

ここが良かった!

ここは要注意! ― でも対策できます
良い物件ですが、完璧な中古住宅なんてありません。大事なのは「事前に把握して、ちゃんと対策できるかどうか」です。
▲気になる点|こうすれば解決できる


010 最後に ― あなたの家探しに「味方」はいますか?
今回のレポートは以上です。いかがでしたか? 「プロはこんなところまで見るんだ」「素人じゃ絶対分からない」――そう感じていただけたなら、このレポートを書いた甲斐があります。
中古住宅は一つとして同じものがありません。リフォームで表面をきれいにすることはできますが、床下の湿気も、屋根裏の雨漏り跡も、基礎のクラックも、「塗り替え」ではごまかせません。
そして、不動産の営業担当者は「売る側」のプロです。悪い人ばかりじゃないけれど、立場上、都合の悪いことを積極的に教えてくれるとは限りません。だからこそ、「買う側のプロ」が必要なんです。
プロに相談すると、何が変わる?
1.見えないリスクを「見える化」
床下・屋根裏・基礎など、一般の方では確認が難しい箇所を私が徹底的に調査。「知らなかった」を「知った上で判断する」に変えます。
2.その価格、本当に適正?を一緒に考える
物件の状態と土地の相場から「この値段は妥当か?」を判断。値引き交渉の根拠づくりもサポートします。
3.買った後のことまで一緒に考える
断熱改修、設備更新、間取り変更…… 「何から手をつけるべきか」の優先順位を一緒に整理します。
「気になる物件があるんだけど、自分じゃ判断できなくて……」 そんなときこそ、気軽にメッセージください!
※ 本レポートは目視による現地調査に基づくものであり、全ての瑕疵を保証するものではありません。 ※ お客様のプライバシー保護のため、個人情報は匿名化しています。

コメント